「いばらキッス」は、平成24年12月に品種登録された茨城県のオリジナル品種です。果肉がしっかりとした「とちおとめ」を母親に、甘くて大きい「レッドパール」と、酸味が少なくやわらかな「章姫」の掛け合わせを父親に交配して誕生しました。開発にあたっては、8年という長い歳月をかけ、様々な交配の組合せから得られた1万種類の株の中から、研究員がひとつひとつ色や形、おいしさなどを判定し、選抜する作業を繰り返し、育成されました。さらに、いばらキッスブランド研究会では、100個に1～2個しか採れない果形の美しい30グラム以上の大粒を揃えた「特選いばらキッス」づくりにも力を入れています。

「いばらキッス」は、主力品種のとちおとめと比べて、育苗から畑の管理まで方法が異なるため、プロの農家でも上手に栽培するには、毎年の工夫と努力が必要です。「いばらキッス」は美しい紡錘形が特長ですが、生育が活発になりすぎると果形が乱れるため、土づくりが大事になります。そのため、いばらキッスの主要な産地であるJAなめがたしおさいやJA茨城旭村では、土壌の分析結果に基づいた施肥設計を実施しています。さらに、部会員全員が防除日誌の記帳や、残留農薬検査を実施し、トレーサビリティー（生産履歴管理）システムにも対応しています。このような工夫や努力を経てできたいばらキッスには、香りが豊かで、濃厚な甘みとコク、酸味のバランスが取れており、ジューシーな味わいがあります。

いわずと知れたイチゴ界の定番品種です。茨城県内で生産されるイチゴの90％以上を占めます。女峰、とよのか、栃の峰という当時大人気の品種を交配させて誕生しました。果実は、パッと目を引く鮮やかな赤色。大きくて糖度が高く、ほど良い酸味があるのが特長です。果汁たっぷりでジューシーですが、果皮はしっかりとしているため、比較的日持ちします。

ひたち姫は、平成20年に品種登録された茨城県のオリジナル品種です。「果実が大きくて、食味が良く、栽培しやすいこと」を目標に、糖度が高くて品質に優れた「とちおとめ」を母親に、酸味が少なくて、ジューシーで甘い「章姫（あきひめ）」を掛け合わせて誕生しました。
果肉は大きくて長め。歯ざわりが良くサクサクとした食感で、とても甘く感じられます。ひと粒でも大満足の食べごたえは、若い女性や子供から好評を得ています。

平成15年に商標登録したJA常陸のオリジナルブランド、バインベリー（品種とちおとめ）。鮮度を維持させるために、美しいつる（バイン）の付いた状態で出荷するのが大きな特長。実を口にすると、豊かな甘みと香り、果汁が口いっぱいに広がります。

イチゴは鮮度劣化や輸送時の実の崩れを防ぐため、少し若めで収穫するのが一般的ですが、バインベリーは完熟の状態で収穫します。朝採りで収穫した後に素早く冷却しているので、実がしまっていて、果肉はしっかりとしています。