PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらき食材を使う料理人

縁日 店主 いばらき食のアンバサダー佐藤 雄一さん(東京都)

縁日 店主 いばらき食のアンバサダー 佐藤 雄一さん(東京都)

海外に日本の文化と日本料理を広めたい!

縁日(えんか)

縁日(えんか)

 東京都港区白金高輪にある「縁日」は、茨城県下妻市出身で「いばらき食のアンバサダー」を務める佐藤 雄一さんが営むお店です。
 「縁日は、“料理を楽しくおいしく食べられる、居心地の良い店”を目指しています。“夏祭りのような楽しい思い出が残るように”、“人と人との縁がある日に、そっと寄り添えるような料理を提供したい”そんな想いで店名を付けました」と佐藤さん。
 「とにかく料理を楽しく食べてもらいたいんです。また、疲れない店でありたいと思っています。日本料理=敷居が高い、というイメージがあるので、疲れない雰囲気作りを心がけています。そういった雰囲気の中で、“他では食べられない料理”を出しています」
 “他では食べられない料理”とは、日本料理を軸としながらも、形にとらわれることなく、“食べておいしく、ホッとする料理”を意識した、佐藤さん独自の料理。「会席料理の形とか、流行りとか、見た目の凄さは狙っていません。口に入れておいしい、そういう料理です。だから、うちの料理は“映え”ないんです」と笑います。
 「でも、一番大事なのは、“誰と食べるか”じゃないかと思うんです。最高の食材を使っていても、お客さん同士が喧嘩してたらきっと不味いし、気が合う人同士だったら、何を食べても楽しいしおいしいと思うんですよ。最後の調味料はお客さんです。お客さんには『仲が悪い人とは来ないでください』と言っています(笑)」

佐藤さんのルーツ

佐藤さんのルーツ

佐藤さんのルーツ

 高校卒業後、すぐ料理人の道を目指したという佐藤さん。箱根の「強羅花壇」にて日本料理の修業を始め、都内の日本料理店、寿司店などで腕を磨いた後、2006年、恵比寿に「日本料理 雄」を開業。15年間 雄を営み、2021年4月に「縁日」をオープンしました。「15年間恵比寿でやってきて、気分を変えたいな、と感じていた時にコロナもあって。白金高輪は散歩でよく来ていて、いい街だなと思っていたので、心機一転、店名も『縁日』に変えて移転しました」と佐藤さん。
 縁日は完全予約制。日本全国の厳選した食材を使った“他では味わえない組み合わせの料理”を、それぞれ品数が変わる「おまかせコース」や「河豚コース」などで提供しています。
 『個室が欲しい』というお客様の要望で、カウンターの4席以外は全席(3部屋)個室を設えました。照明も、料理が美しく見えるような位置や明るさ・色合いなどにこだわったそうです。

幻の味?!「苺みるく生洋羹」

「苺みるく生洋羹」極上のいばらキッスをふんだんに入れ、ひとつひとつ丁寧に手作りした新しい食感の和菓子。「苺みるく生洋羹」極上のいばらキッスをふんだんに入れ、ひとつひとつ丁寧に手作りした新しい食感の和菓子。

 佐藤さんといえば、代名詞とも言われる大人気商品「苺みるく生洋羹」。
 同商品は、茨城県オリジナル品種のイチゴ「いばらキッス」のパイオニア的存在である「拓実の会」の浜野さんが作ったいばらキッスを使用し、小豆を一切使用せず、代わりにイチゴや牛乳を使い、餡には吉野葛や寒天などを使って時間をかけてしっかりと練り込み、ひとつひとつ丁寧に手作りした新しい食感の和菓子です。
 「茨城県産のもので、“全国に発信できるような、とにかくおいしいお土産を作りたい”と思っていた時に浜野さんのイチゴを食べたことがきっかけで、このイチゴを使おうと決めました。“和”の羊羹と“洋”のゼリームースなどの食感の良い所を活かして作っているため、洋+羹で 『洋羹』と謳っています。みるく洋羹の固さに納得がいくまで、一年かかりました」と佐藤さん。
 極上のイチゴがこれでもかというほど贅沢に入った「苺みるく生洋羹」は、オンラインショップ「お取り寄せ 雄」からのみ12月~5月まで購入が可能で、現在も3か月待ち。販売が始まると即座に売切れてしまう“幻の味”ともいわれています。

茨城の食材について

「伊勢海老のうにソースがけ」茨城県沖の伊勢海老を焼き、うにと生クリームを使った一品。時期によりおまかせコースに入る。「伊勢海老のうにソースがけ」茨城県沖の伊勢海老を焼き、うにと生クリームを使った一品。時期によりおまかせコースに入る。

 「茨城の食材は、特に野菜がおいしいですよね。うちは両親の実家が専業農家なので、東京に来た時は野菜の味の違いに驚きました。茨城県の葉物は香りと味がすごくいいし、れんこんは他産地のものと全然違う。里芋、ゴボウ、小松菜、ちぢみほうれん草。原木しいたけとか、トマトもおいしい」と、思いつくままあげてくれました。
 「茨城には無いものがない。『本当においしいものがある』と思います。魚もおいしい。信頼している茨城県内の海鮮問屋は、魚の処理がとても良くて、とても良い状態で送ってくれる。ヒラメとか、寝かすと旨みが出て本当にうまいですよ」ほかにも、「浜野さん(いばらキッス生産者)が作る有機栽培のお米は粒が大きくて甘みがあってうまいし、ローズポーク(茨城の銘柄豚)も脂がおいしいよね」などなど、沢山の茨城県産食材の魅力を語ってくれました。

縁日 店主 佐藤 雄一さん

夢~さらなる挑戦~

 「このご時世、いつまた何が起こるかわかりません。とにかく日々感謝の気持ちを込めて、最高の食材と向き合い、一生懸命、前進あるのみで、日々進化する料理を目指していきます。あとは、いろんな人に日本料理を知ってもらいたいですね。うちのお店は海外からのお客さんも多いので、日本人だけでなく、世界中の人たちに日本料理を知ってもらいたい」と佐藤さん。続けて、「僕には昔からの夢があって。海外、特にアジア地域の開発途上国に学校を作りたいんです。そこで飲食店をやって、現地の人を雇用して、海外の人たちに日本の文化を伝えたい。実際、ミャンマーで店をやろうと思っていたのですが、政権が変わって難しくなってしまって。その関係でミャンマーの子と連絡を取っているのですが、その子と出会ってから考え方が変わりました。“日本料理を覚えたい”という気概が感じられて、そういう姿が嬉しいんですよ。今、日本人より海外の人の方が日本料理をやりたいという人が多いんじゃないかな。綺麗ごとで世界は救えないけど、いつかそういう気持ちのある海外の人たちの所に行って、日本の文化、日本の料理を広めていけたらと思っています」

インフォメーション
名称 縁日(えんか)
住所 東京都港区白金1丁目25-26
お問い合わせ TEL:(予約専用番号)090-5246-7878
WEBサイトURL https://enka-shirokane.com/
アクセス 営業時間 18:00~23:00
定休日 不定休
その他の情報 このページの情報は、2023年2月時点のものです。

今、おすすめの記事

TOP