PICK UP/ 茨城のうまいもの特集
旬のうまいもの特集
常陸秋そば
全国のそば職人から最高峰の評価を得ているブランド品種「常陸秋そば」の産地、茨城県。なかでも県北地域は、昼夜の気温差が大きいことや水はけのよい傾斜地など、そばの栽培に適した条件が揃っており、江戸時代から「そばどころ」として知られた名産地です。
「常陸秋そば」は、在来種を茨城県が昭和60年に奨励品種として認定したブランド品種です。実が大きく、粒ぞろいが良く、黒褐色の見た目にも大変美しいそばで、口に含んだ時の甘味と、鼻腔に広がる芳醇な香りが特に優れており、その味に誘われて多くのファンが県外から足を運ぶほどです。
極上の味わい 常陸秋そば
「常陸秋そば」といえば、茨城県が全国に誇るブランド品種。香り、味わいに優れ、今や"玄そばの最高峰"といわれる品質を誇り、国内産のそばの中でもとりわけ高値で取引されています。
「常陸秋そば」の魅力は、なんといってもその粉の力強さ。風味豊かで、通を唸らせる逸品です。東京都内でも、数々の名店で使用されています。
「常陸秋そば」の魅力は、なんといってもその粉の力強さ。風味豊かで、通を唸らせる逸品です。東京都内でも、数々の名店で使用されています。
常陸秋そば誕生物語

古くから茨城のそばは質の高さで知られていましたが、その実態は県内各地の在来種を寄せ集めたものにすぎず、品質のばらつきが大きいものでした。
そこで、茨城ならではのブランドを作り上げようと、茨城県農業試験場(現:茨城県農業総合センター農業研究所)が新品種の育成に乗り出したのは、1978年のこと。
金砂郷の赤土地区(現:常陸太田市)の在来種を親として、選抜育成法により3年余りの歳月をかけて「常陸秋そば」が誕生。粒ぞろいのよさはもちろんのこと、香りの高さと甘みに優れているのが「常陸秋そば」の特長。そば職人や全国のそば通からも高い支持を得ており、県内で栽培されるほぼ全てを「常陸秋そば」が占めるまでになりました。
一方、そばは他花受粉植物のため品種の交雑が起こりやすく、放っておけばせっかく作った品種であってもその良い性質が失われてしまいます。そこで、「常陸秋そば」の優れた性質を守っていくために必要な,厳密な種子の管理が現在も続いています。

ブランド品種を守る 生産の現場
「常陸秋そば」の故郷、金砂郷の赤土地区。
「常陸秋そば」は今や県内全域で栽培されていますが、その種子は今でも全て赤土地区を中心とした県北地域で育てられたもの。栽培方法にも種子の検査にも厳しい基準が設けられています。
県北の山間地で種子生産を支える農家のみなさんたち。山間地の他産業と同様に、高齢化や後継者不足、イノシシの被害など問題は山積みです。
「常陸秋そば」は今や県内全域で栽培されていますが、その種子は今でも全て赤土地区を中心とした県北地域で育てられたもの。栽培方法にも種子の検査にも厳しい基準が設けられています。
県北の山間地で種子生産を支える農家のみなさんたち。山間地の他産業と同様に、高齢化や後継者不足、イノシシの被害など問題は山積みです。
しかし「この地で作るそばこそ一番」という、土地、そばへの誇り。その気持ちが高齢の生産者たちを支えています。そしてその生産者たちこそが、"玄そば最高峰"の品質を守りぬいているのです。


県北地域に伝わるそばは、もともと冬場に食べる主食でした。そばといってもザルに盛った、あるいは出汁にいれたような食べ方ではありません。「つけけんちん」と呼ばれ、具沢山の汁に太目のそばをつけて食べるものです。秋の農産物、ネギ、大根、ごぼう、こんにゃく、ニンジン、シメジ、芋がらなどが使われます。野菜類を油と味噌で炒め、かつおと昆布の出汁で煮て、醤油とみりんで味付けをします。歯ごたえよく、香りよく、そしておなかの底からからだ全体が温まります。体に優しく、とってもおいしい里山のご馳走は、今でも茨城県北地域の郷土料理として、みんなの生活の中に息づいています。



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品目
常陸秋そば
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