神楽坂にある「とんかつ憲進」は、とんかつ専門店「なりくら」での修業を経て独立した店主 畑田 憲吾さんが営むお店です。
　「お客様に笑顔になって帰っていただきたい」という想いから、ひとつひとつの作業を丁寧に愛情をかけて行い、1日の大半を厨房に立っていると言います。
　とんかつに使うブランド豚肉は、茨城県の銘柄豚肉「常陸(ひたち)の輝き」と、新潟県の「越乃黄金豚」、山形県の「米澤豚一番育ち」、千葉県の「東の匠SPF豚」の4種類。独立に際し「看板となる銘柄を探し続けていたところ『常陸の輝き』に出会い、『これだ！やっと見つけた』と思いました。柔らかく、脂が甘く、トータルでのバランスが良い。食べ終わってからの余韻までおいしさが残り、最初から最後まで舌鼓を打てる豚肉」と絶賛。お客からも「よくこんなにおいしい豚肉を見つけたね」と声をかけられるそうです。
　とんかつは、「なりくら」から受け継いだ糖度が少ない“白いパン粉”をたっぷりと付け、最高級のラードで低温でじっくりと揚げることで素材のうまみを引き出します。油から引き上げたあと、余熱で蒸して仕上げるのも特長です。
　店主のおすすめは、「常陸の輝きのヒレかつ」。「すごく自信がある」と言い切るこちらは、とろけるような滑らかさで、柔らかさでしっとりとした食感です。そこに濃厚なうまみとジューシーさが加わり、これまでのヒレかつの概念を覆すおいしさです。
　とんかつはもちろん、定食に付くキャベツ、米、広島菜、汁物、どれも一級品のおいしさで、料理ひとつひとつに真摯に向き合う店主の姿がうかがわれます。
　まずは何もつけず、肉のうまみを味わってみてください。