いばらきの食に挑戦する人たち
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ひたちおおたチーズ工房 亀井 わかなさん(常陸太田市)
旧給食センターから誕生した新たな特産品
山あいの旧学校給食センターを活用
製造責任者を務める亀井さん
阿武隈山系の大自然に囲まれた常陸太田市北部に位置する里美地区。この地で「ひたちおおたチーズ工房」が産声を上げたのは2020年4月のことでした。 この地は豊かな自然を背景とした酪農が盛んな地域。そんな地元の酪農家たちを支援しながら、市町村合併や学校の統合整備などに伴ってクローズした旧学校給食センターの建物を有効活用し、付加価値の高い新たな農産物加工品を作りたいという想いから、第三セクターの一般社団法人里美ふるさと振興公社の主導で、チーズ製造のプロジェクトがスタートしました。 「当初、私たちはチーズ作りに関しては全くの素人だったんです」と語るのは、製造責任者の亀井わかなさん。 紀元前から世界各地で製造され、現在は何千もの種類があるチーズ。製造方法は歴史的に確立された基本工程がありますが、扱うのは菌と生乳という生き物。同じ製造工程でも家畜の飼料、棲み着く微生物、気温や湿度など、その土地ならではの環境により、全く違う風味に仕上がるため、専門知識を持つ職人の技術と経験が必要不可欠です。 そんな中、経験者ゼロから果敢に挑戦した常陸太田市産チーズ。亀井さんは宮城県の蔵王酪農センターで基礎から学び、大手乳製品メーカーの専門家による技術指導を経て、一つひとつ試行錯誤を繰り返していきました。 その道のりは一筋縄ではいかず、中でも長期熟成させるハードタイプは、牛の飼料の影響で膨張するなど、予期せぬ困難の連続。それでも愛情を持って愚直に育て続けた結果、現在の本格的な味わいへと辿り着きました。
鮮度と手仕事への徹底したこだわり
チーズの製造風景
ひたちおおたチーズ(写真はフロマージュブラン以外の4種)
チーズの命とも言える生乳は、常陸太田市内の酪農家から届けられる絞りたてのものを100%使用しています。亀井さんはその特徴について、「非常にフレッシュで濃厚な味わいで美味しいんです。ナチュラルチーズにすると、より牛乳の味が引き立つんですよ」と胸を張ります。 製造工程では、機械による量産に頼らず、職人による手仕事を貫いています。練り、成形、そして包装に至るまで、スタッフ7人で一つひとつ丁寧に仕上げるチーズは、添加物や保存料などを一切使用していません。 常陸太田の大地が育んだ生乳本来のフレッシュな旨味を届けるため、賞味期限の短さを恐れず、本物の味を追求することをポリシーとしています。 現在のラインナップは、そんなこだわりの原材料と製法から生まれたナチュラルチーズ5種類です。 一番人気の「モッツァレラ」は、県内の有名ホテルやレストラン、都内の飲食店でも使用される自慢の逸品。 ヨーグルトのような滑らかな食感の「フロマージュブラン」、繊維状に裂ける「ストリング」、焼いてとろみを出して味わう「カチョカヴァッロ」の他、和風だしのような深いコクのある熟成セミハードタイプの「さとやま」は地酒との相性も抜群です。
業界でも認められた常陸太田ブランド
ジャパンチーズアワードでも入賞する実力
市内学校給食にも登場し子どもたちからも好評
ゼロからの挑戦で始まった常陸太田市産チーズへの道。数多あるチーズの中から、郷土の魅力を詰め込んだ選ばれる味を目指して、ときに仲間たちと意見をぶつけ合いながら高品質で常陸太田ならではの風味を追求し続けてきた亀井さん。そのたゆまぬ努力は確かな形となって現れています。 2年に一度開催される国産ナチュラルチーズの日本一を決める最高峰のコンテスト「ジャパンチーズアワード」では、2022年に4品中3品が、2024年には出品した5品全てが入賞。全国の強豪がひしめく中、常陸太田のチーズがトップクラスの品質であることを証明しました。 また、地域との繋がりも大切にしており、市内小中学校の給食では「じょうづるさんチーズ」と称してストリングを提供しています。地元の子どもたちが「自分たちの街にはこんなに美味しいチーズがある」と知ることで郷土愛の醸成に貢献し、施設で社会科見学を実施することで食育の場としても一役買っています。
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「ジャパンチーズアワード」での上位入賞や、日本最大級の国産ナチュラルチーズのコンテスト「ALL JAPANナチュラルチーズコンテスト」での初受賞を目指す亀井さんは、「いつかは地元温泉水を使ったウォッシュチーズやフレーバーチーズなど、常陸太田ならではのチーズを作ってみたいですね」とさらなる未来を見据えます。 既存商品のブラッシュアップに注力しつつ、右腕となるスタッフの育成や新商品の構想に余念がありません。現在は工房のほか、道の駅ひたちおおたや市内スーパーでの販売、水戸や都内のホテルやレストランでも採用されるなど、その輪は着実に広がっています。 「いつかは全国各地に常陸太田の豊かな自然が生んだこの味を知ってもらい、一人でも多くの方に届けていきたいです」 豊かな里山で育んだチーズに夢を乗せて、亀井さんの挑戦はこれからも続いていきます。
| インフォメーション | |
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| 名称 | ひたちおおたチーズ工房 |
| 住所 | 茨城県常陸太田市大中町1702-2 |
| お問い合わせ |
TEL: 0294-82-2329
FAX: 0294-82-2395 |
| WEBサイトURL | https://cheese-hitachiota.com/ |
| その他の情報 | ※このページの情報は、2026年2月時点のものです。 |
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