PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

株式会社 住谷公商店 住谷まさ美さん(ひたちなか市)

株式会社 住谷公商店 住谷まさ美

かんしょ栽培六次化のリーディングカンパニー

六次化コンテストで数々の受賞歴を有する

住谷公商店の干し芋 住谷公商店の干し芋

かんしょ栽培から加工まで一手に担う かんしょ栽培から加工まで一手に担う

 茨城県が農業産出額全国ナンバーワンを誇るかんしょ。かんしょ加工品の代表格である干し芋は、押しも押されぬ本県の名物として盤石な地位を築いています。ひたちなか市をはじめ、県内各地には数多くの干し芋生産者がひしめいており、近年では異業種からの参入事例も増えてきています。また、紅はるかなど糖度の高い焼き芋も好評で、年間を通して販売しているお店も多くあります。  そんな群雄割拠の茨城かんしょ市場において、独自の視点で商品を開発し、話題を集めているのが(株)住谷公商店です。「いばらき農の6次化商品コンテスト」で最高位の金賞を、また日本食糧新聞社が主催する「6次化大賞」でグランプリに選ばれた「焼き芋スナック PAKiPOKi(パキポキ)」をはじめ、多くの新商品を打ち出している代表の住谷まさ美さんにお話をうかがいました。  住谷公商店は、介護事業や放課後等デイサービス、就労支援、ライフプランニングなども手掛ける複合企業「ありがとうグループ」の一角。「住谷公商店の元々のルーツは、さつまいもやお米の問屋として戦後まもなく、80年ほど前に農業をはじめたところにさかのぼります。それ以来干し芋を作ってきた歴史があります」と住谷さん。  現在も、原料のかんしょ栽培から加工までを手掛けており、「紅はるか」と「いずみ」二品種を作っています。需要の増加に伴い、近年ではひたちなか市のみならず大洗町や茨城町といった近隣地域のほか、福島県でもかんしょを生産し規模を拡大しています。

衛生的で手軽、市場ニーズを捉えた商品開発

住谷公商店代表の住谷まさ美さん 住谷公商店代表の住谷まさ美さん

同社の人気商品プッチーモシリーズ 同社の人気商品プッチーモシリーズ

 5年前に住谷公商店の代表を受け継いだ住谷まさ美さんは、もともと管理栄養士として病院に勤務していたという経歴の持ち主です。それまでの干し芋づくりの良いところはそのままに、製造面でも商品開発の面でも衛生管理を第一に徹底していると話します。 「干し芋は、天日干しにこだわって作っています。HACCP(ハサップ)の認定を受け、衛生状態の保たれたハウスの中でじっくりと乾燥させています」と住谷さん。ひたちなか・東海・那珂ほしいも協議会の「ほしいも三ツ星生産者」認定も受けています。  また、食の安全や健康にも強く気を配っており、使用するサツマイモ自体もできるだけ無農薬で栽培しているのだそう。 「干し芋や焼き芋はとてもシンプルなナチュラルスイーツ。だからこそ、原料となる芋自体の甘さも重要です。畑の管理、土づくりも毎年いろいろ試行錯誤しています。有機肥料も、米ぬかなど色々試してみたり…もちろん失敗もしますが、より良い芋をつくるために、思いついたことは何でもやってみています」と話す住谷さんはまさに行動力の塊。商品開発も、代表である住谷さん自らがアイデアを出して開発していると言います。  同社の大ヒット商品「プッチーモ」は、住谷さん独自の着眼点から誕生しました。干し芋といえば、大ぶりにカットされた芋がまとめて詰められているパッケージが多い中、プッチーモはその真逆で「ひと口サイズで、個包装されており、ジッパー付きの袋入り」です。「大袋にまとめて入っているよりも、個包装でジッパー付きの方が衛生的ですし、手も汚れないですよね。ひょいとつまんでひと口で食べられるサイズにしたかったので、複数人の方に協力していただいて市場調査を行いました。結果、ベストサイズだった2~3センチ以内のサイズに合わせています」と住谷さん。  持ち運びしやすく手軽に食べられ、消費者のニーズにマッチした同商品は、「2020 JR東日本おみやげグランプリ審査員特別賞」や「令和4年度いばらき農の6次化商品コンテスト」金賞を受賞するなど高い評価を得ています。また、平干しの他に丸干しタイプや、のし梅を挟んだ「プラムッチーモ」とシリーズ展開も好調です。

海外展開や環境配慮も見据えたアイデア商品

焼き芋をスナック状に加工したPAKiPOKiシリーズ 焼き芋をスナック状に加工したPAKiPOKiシリーズ

様々な受賞歴や認証を有する同社商品 様々な受賞歴や認証を有する同社商品

 プッチーモに続き、住谷さんのアイデアから生まれたヒット商品が「焼き芋スナック PAKiPOKi」です。「パキポキ」と直感的に軽やかな食感をイメージさせるネーミングに、鮮やかな色づかいのPOPなデザインパッケージが印象的。こちらの商品の開発秘話を住谷さんに伺いました。 「PAKiPOKiは、海外市場への展開も見据えた商品として開発しました。海外へ輸出する際に重要なのが、長期保存に耐える商品であること。冷凍・冷蔵品だとコストがかかってしまうので、常温で保存がきく芋加工品をと考えました。高糖度の焼き芋をペーストにして更に焼き上げています。砂糖を加えたりせず、できるだけナチュラルなスナックに仕上げました」と住谷さん。ノンフライなので、ヘルシーなのも嬉しいポイントです。  皮なしに加えて、皮ごと使用したものも用意しており、サツマイモの風味の違いを楽しむことができます。  こちらもプッチ―モ同様、令和4年度いばらき農の6次化商品コンテストで金賞を受賞した他、日本食糧新聞社主催の「第9回6次化大賞」でもグランプリに選出されました。受賞理由には、風味の良さだけでなく製造過程で本来捨てられる未利用部分も使用しておりSDGsにも貢献していることも挙げられています。また、最新作として焼き芋スナックにオーガニックブラックペッパーを練り込み、茨城県内の他地域の特産品と組み合わせた新シリーズ「PAKiPOKi TSUMAMI BAR」もリリース。ビール、ワイン、日本酒とそれぞれの味に合うよう考えられており、JR常磐線特急の車内販売でも採用され好評といいます。    2024年には那珂市にカフェ併設直売店もオープンさせるなど、絶えず新たな挑戦を続けていく住谷公商店。これからの展開にも注目です。

販売時期
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夢~さらなる挑戦~

 毎年のように新たな商品をリリースしている住谷さんですが、「やりたいことはまだまだあります!」と今後も既に新企画が進行中だそう。また、海外進出も進んでおり、一部商品はスイスやフランスといったヨーロッパ圏へ輸出中。同社専務を務める、息子の勇幸さんと共にグループ内で農福連携も図りながら、活躍の幅を広げています。  バイタリティに富む住谷さんを突き動かしているのは、地域や国、社会への健康への想い。「食はすべての源です。自分たちが食べるものが何から作られているか、考えてみてほしいです。私たちの事業を通して、食育、ひいては、健康寿命の延伸に貢献できるような活動ができればと思っています」と住谷さん。  単に「茨城のお土産」にとどまらない、健康的で美味しいナチュラルフードを届けていきます。

買えるお店
おみやげ&カフェ ボンボヤージュ
住所: 茨城県那珂市菅谷3707-1
TEL: 029-352-3905
おみやげや プラム水戸
住所: 茨城県水戸市宮町1-1-1 水戸駅エクセル本館2Fプラムストリート
オンラインショップ
インフォメーション
名称 株式会社住谷公商店
住所 茨城県ひたちなか市高場2343-1
お問い合わせ TEL: 029-352-3357
FAX: 029-352-2756
WEBサイトURL https://arigatou-imo.com/
その他の情報 ※このページの情報は、2025年8月時点のものです。

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