いばらきの食に挑戦する人たち
有機農作物専門店 石田農園石田 真也さん(つくば市)
有機JAS認定「石田農園」
石田農園のベビーリーフ畑
つくば市にある「石田農園」は、化学肥料や農薬を使用しない有機栽培で、ベビーリーフを主力に、たまねぎ、にんじん等を生産・販売している“有機JAS認定農園”です。
サラリーマンだった石田 信也さんが家業を継ぐと決めたのは2002年。「父が有機栽培を始めて、栄養価の高い野菜作りに魅力を感じ、跡を継ぐことにした」と言います。
牛フン堆肥やボカシ肥料を自社で作り、手間を惜しまず土づくりにこだわってできた作物は、『うまみ・甘み・栄養価』の3拍子が揃い、日持ちもします。
「うちの野菜の『うまみ・甘み・栄養価』を分析してもらった結果、通常の約1.4~2.7倍の数値が出ました。目指すのは『身体にいい野菜』を作ること。栄養価の高い野菜で、皆さんを健康にしたい。」
石田農園の野菜は、つくば市内の小・中学校の学校給食にも提供されています。
「農福連携」のモデルケース
つくばライフサポートセンター 職員の千葉 修さん
手間のかかる有機栽培で人手不足に困り果てていた石田さんは、つくばライフサポートセンターの職員 千葉さんと知り合い、千葉さんを通じて、障がいや難病のために企業で働くことが困難である方に対し、働く場所を提供する「就労継続支援B型」という制度を知りました。
2018年、千葉さんと数名の障がい者に農作業の手伝いをお願いしたことをきっかけに、本格的に農業と福祉の連携『農福連携』を始めます。
「こちらも人手不足のなか、障がい者も働く場を常に求めていることを知り、お願いしてみると予想以上にしっかり働いてくれたんです。今は、もはやいてくれないと困る存在です。」
仕事中の千葉さんとスタッフ
この日は大学生のアルバイトも来ていた
石田農園で働く障がい者スタッフは1日3~4名。サポートセンターの千葉さんをはじめとした職員1名が必ず同行し、障がい者にわかりやすく仕事の指示を出します。
千葉さんにお話をお伺いすると、「農福連携は、受け入れてくれる農家さんのホスピタリティがあってこそ成り立ちます。石田農園はもともと研修生や学生アルバイトなど多様な人を受け入れるマインドと実績があった。だからうまくいっています。有機野菜も障がい者も“マイナー”という意味では同じ路線な気がするんです。こうしたマイナーなところに価値を見出してくれた石田さんならではだと思います。」
石田さんは、「千葉さんのように農園の仕事をよく理解してくれて、農業と福祉の両方の立場がわかる人の存在がなければ農福連携は立ち行きません。仕事内容と障害のレベルによってできる仕事を考えて、割り振ってくれる千葉さんの存在が何より大切です」と言います。
農福連携は、人手不足が進むこれからの日本の農業を支える大きな力になり得る希望を感じたという石田さんは、各地で説明会を開催するなど、農福連携のモデルケースとしてこの取り組みを積極的に発信しています。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|

石田農園ではこれまで、5名の研修生が独立を果たし、全国各地で活躍しているそうです。石田さんは、「障がい者のみなさんの独立が夢」と言います。
「農福連携を始めて、できることはあるのに行き場が無い人たちがたくさんいることを知りました。そういった人たちが自力で社会に出るための後押しをしたいと思います。農業じゃなくてもいい。アルバイトでも何でもいいので、うちで働くことで自分の力で社会に出られる自信をつけてもらいたいです。」
「あとは、食育です。食べ物が心と身体を作ると思うんですよ。今後は、学校給食への提供を市外にも増やして、子供たちに身体にいい野菜をもっとたくさん食べて欲しい。そして野菜の本当の味を知って、野菜をもっと身近に感じて欲しいですね。」
インフォメーション | |
---|---|
名称 | 石田農園 | 住所 | 茨城県つくば市上郷7908-1 |
お問い合わせ | TEL:029-847-3372 |
WEBサイトURL | http://ishida-farm.com/ |
その他の情報 | ※このページの情報は、2020年11月時点のものです。 |
今、おすすめの記事
-
-
旬のうまいもの特集
秋の味覚 いばらき焼き芋特集
-
-
オンラインショップ
四万騎農園
-
-
いばらきの食に挑戦する人たち
安心して食べてもらえるぶどうを目指して
圷正敏さん
-
-
オンラインショップ
一般社団法人 行方市まちづくり推進機構