いばらきの食に挑戦する人たち
JAなめがたしおさい なめがた地域センター ちんげん菜部会連絡会高正 利夫さん(行方市)
チンゲンサイ生産量日本一の部会
高正 利夫さん
茨城県のチンゲンサイは生産量日本一を誇り、霞ヶ浦と北浦に挟まれた行方市を中心に、年間を通じて栽培されています。
チンゲンサイは、β-カロテンやビタミンCなどのビタミン類や、鉄分やカルシウムなどのミネラル類が含まれ、熱を加えてもその内容量がほとんど変わらないというのも特長です。
そんなチンゲンサイの生産を行う「JAなめがたしおさい なめがた地域センター ちんげん菜部会連絡会(以下:ちんげん菜部会)」会長の高正 利夫さんを取材してきました。
ちんげん菜部会のチンゲンサイは、「品質が良い」、「棚持ちがいい」など市場で高い評価を得ています。それは、部会員51名(令和元年現在)の出荷するチンゲンサイの品質が高い水準で保たれているためです。
「前会長が10年程前から品質均一化に向けての取組みに乗り出しました。集荷場に集まった部会員のチンゲンサイの箱を開けて、気になったチンゲンサイがあるとそれを生産者の元に持って行き、改善案を提案する。自分が悪者になって、そういうことを長い間やってきてくれたんです。その効果はテキメンですよね。そこから全員が気を引き締めて栽培にあたるようになり、うちのチンゲンサイは市場関係者からも信頼されるようになったんです。」
会長を引き継いだ高正さんも、時折箱を空けてチンゲンサイをチェックすることは今も続けているそうです。
■いばらきのチンゲンサイについてはこちら
↓↓↓
https://www.ibaraki-shokusai.net/brand/bok-choy/
「茨城県GAP 第三者確認制度」県内登録第一号
JAなめがたしおさい ちんげん菜部会のチンゲンサイ
10年程前から取り組んできたという栽培管理の記録ノート
ちんげん菜部会では、食の安全・安心を提供できる農産物を作ろうと、減化学肥料、減農薬栽培に取組み、部会のチンゲンサイはすべて「茨城県特別栽培農産物(※)」の認証を受けています。
さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピック東京大会への食材提供のための制度として、2017年12月に茨城県で新たに運用が開始された「茨城県GAP 第三者確認制度(以下:茨城県GAP)」の登録にもいち早く乗り出しました。
「実は部会では10年程前から、50項目のチェック項目に準じた管理体制を取って、年に2回第三者(茨城県や農協など)からの監査を受けるという取り組みを、独自に行ってきました。これを続けるなかで更に上を目指して行こうと話していた矢先に『茨城県GAP』が始まりました。部会内で取り組む希望者を募り、26名で『GAP部』を発足して、1年間毎月1回勉強会を開いてチャレンジしました。」
そうして2018年8月に、「ちんげん菜部会連絡会GAP部」のチンゲンサイは「茨城県GAP」登録品目第一号として登録されました。
※特別栽培農産物…茨城県の慣行レベルに比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培された農産物を『特別栽培農産物』として茨城県が認証する制度。
市場の要望を生産に反映!
この細長いホースから霧状に水が出る。
毎日状態を見て周る。
水やりと同じくらい大切な作業「換気」。天候に応じて開け閉めをしてハウス内の温度・湿度を管理する。
生産のこだわりをお伺いすると、「チンゲンサイは水の管理で8割決まるね」という高正さん。
「水やりは一番簡単なようで一番難しいんです。水をやりすぎると腐ってしまうし、水が少なすぎると固くなって育たない。私たちは一年365日中元旦を除く364日、毎日出荷しているので、いかに良いものを早くしっかり育てられるかが勝負。水やりはチンゲンサイ農家の生命線です」
さらに土作りについては、土壌分析に基づいて配合を設計した専用の肥料を発注して使用しているそうで、細部にまでチンゲンサイ作りへのこだわりが垣間見えます。
また、ほかの作物等では年に1回から数回しか行わない「目ぞろえ会(栽培・収穫・出荷などについて部会員同士で確認する研修会)」も、ちんげん菜部会では毎月1回開催をしているとのこと。さらに「目ぞろえ会」には取引のある市場関係者を招いてチンゲンサイを見ながら市場の要望などを聞き、情報交換を行っているそうです。
「それだけじゃなく、年に2回市場の担当者を20社以上呼んで『販売対策会議』も行っています。生産者と市場の担当者を混ぜてグループに分けてワークショップをするのですが、ここで生産者は今の時代の消費者が何を求めているかを知ることができるし、市場の担当者も生産者の取り組みが分かる。とてもいい機会になっています」と高正さん。
一年間休まずに出荷している部会だからこそ、品質の安定と市場からの信頼は最も大切な要因であり、こうした取り組みは確実に生産者の意識とチンゲンサイの品質の向上に繋がっているといいます。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
高正さんに今後の展望をお伺いしました。
「安全な作物を作り、安心を届けてお客さんに喜んでもらえることが一番だと思っています。そのためにできる限りのことにはチャレンジしていきたいですね。その結果お客さんに『なめがた産がいい』と指名してもらえるようになったら最高です。『茨城県GAP』にも取り組んだからにはぜひオリンピックの食材として使ってもらって、この取り組みをカタチとして残せたらと思っています」
これからも、ちんげん菜部会の挑戦は続きます。
インフォメーション | |
---|---|
名称 | JAなめがたしおさい なめがた地域センター | 住所 | 茨城県行方市島並857-35 |
お問い合わせ | TEL:0299-72-1880 FAX:0299-72-1113 |
WEBサイトURL | https://ja-ns.or.jp/ |
その他の情報 | ※このページの情報は、2020年1月時点のものです。 |
今、おすすめの記事
-
-
旬のうまいもの特集
じつは生産量日本一!いばらきメロン
-
-
オンラインショップ
JAなめがたしおさい
-
-
旬のうまいもの特集
じつはいろいろ日本一!!食の王国いばらき!
-
-
いばらきの食に挑戦する人たち
農業には国と地域を支える力がある
菅谷作衛さん