PICK UP/ 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

株式会社北茨城ファーム瀬谷 篤史さん(北茨城市)

株式会社北茨城ファーム 瀬谷 篤史さん(北茨城市)

まるでフルーツのような甘さ!高糖度のミニトマトを作る

株式会社北茨城ファーム

北茨城ファームの高糖度ミニトマト北茨城ファームの高糖度ミニトマト

北茨城ファームの圃場北茨城ファームの圃場

 茨城県はトマトの生産が盛んで、特にミニトマトは全国トップクラスの生産量を誇ります。
 北茨城市にある「北茨城ファーム」は、スパリゾートハワイアンズを運営する常磐興産株式会社の子会社で、“ほかにはない高糖度なミニトマト”をモットーにミニトマトを生産しています。
 代表取締役社長の瀬谷さんは、前社長・鷺さんが作った生産基盤を基に、販路の拡大や糖度向上の追求など次のステップへと進むため2022年9月に同社の社長に就任しました。

 「2011年の東日本大震災で大打撃を受けたハワイアンズは、第2の経営の柱となる新規事業を模索し、大規模施設でのスマート農業による高糖度ミニトマトの生産に挑むことになりました。構想3年、法人設立から4か月で試験用のハウスを開設しました。試験用のハウスで約2年間栽培方法や品種などあらゆるテストを繰り返し、2020年に大型の施設での養液栽培によるミニトマトの生産を開始しました。
 2つある圃場の広さは、あわせて1万8千平米。サッカーコート3面分あります。ここで“ラブリー藍”という品種をメインに、1日1t程のミニトマトを生産しています」

「まるでフルーツのような甘さ」高糖度ミニトマトの秘密

「まるでフルーツのような甘さ」高糖度ミニトマトの秘密

サンゴ砂礫サンゴ砂礫

 通常、糖度8度でも高糖度といわれるミニトマトですが、北茨城ファームのミニトマトの糖度は10度を超え、13度、14度といったものも穫れるそうです。感動的に甘い“ほかにはない高糖度なミニトマト”を作る秘密は、“サンゴ砂礫(されき)農法”によるものが大きいと瀬谷さんは言います。“サンゴ砂礫農法”は、トマトを植える培地に、土の代わりにサンゴ砂礫を敷いて栽培する、全国的にも珍しい農法です。

 「“ほかにはない高糖度なトマト”を作るために、様々な農法を調査してたどり着いたのがこの農法です。千葉県で“サンゴ砂礫農法”を実施されている方にコンサルティングをお願いして、現在も色々教えていただきながら一緒に行っています。
 “サンゴ砂礫農法”のポイントは3つあります。1つは、サンゴの多孔質及び礫により、根圏環境(土壌から養分や水分を吸収する場)を最適に保てるので健康に育つこと。2つ目は、サンゴ砂礫はアルカリ性なので、その刺激によってトマトが甘くなりやすくなること。3つ目は、サンゴ砂礫にはカルシウム・マグネシウム等の養分が含まれているため、より果実の品質が上がるとともに、培地の寿命が延びることです」

枝分かれした房枝分かれした房

 さらに、この農法の一番の特徴は、“水分制限を行わず、トマトが欲しがるだけ水を与える”のだとか。

 「従来の高糖度栽培は、水分を制限して水分量を極力少なく保つ栽培方法が主流ですが、本農法では水分制限を行わず、トマトが欲しがるだけ水を与え、のびのびと育てます。そこにサンゴ砂礫のアルカリ性による程よい刺激を与えることによって、植物本来の生命力を最大限に引き出すことができます。これらによって甘いトマトに育ちます」

 圃場では、1本の枝から2本、3本と房分かれし、鈴なりのミニトマトが実っていました。瀬谷さんによると、「これもサンゴ砂礫農法の特徴です。ミニトマトは1本の枝から1本か2本の房になることが多いですが、この農法だと多く枝分かれすることがあり、より収量を得られるんです」と教えてくれました。

日々の管理

 土の代わりにサンゴ砂礫を使い、培養液と呼ばれる肥料を溶かした液体を使う養液栽培。
 換気を行い、養液や肥料を与えるのは施設のシステムですが、その設定を行うのは人。北茨城ファームのスタッフ達は、季節によって変わる温度や湿度、環境の変化を日々見極め、毎日トマトの木々を見ながら管理を行っています。
 「甘いトマトを作るために、無駄な葉や枝を切ったり、実の色や木の成長具合を見て、天候を見ながら肥料濃度の微調整などを行っています。とにかく見てトマトの声を聞くことが大切だと思います」

販売時期
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北茨城ファーム 瀬谷社長

夢~さらなる挑戦~

 瀬谷さんに、今後の展望を伺いました。
 「糖度と収穫量を安定させて、『北茨城ファームのミニトマトは甘い!』ということを一人でも多くの方に知ってもらいたいです。
 そのためには、糖度の追求を続けていくこと。今年は、トマトに病気が少し出てしまったのですが、そうした状況でも甘いトマトを安定供給できるような環境を作り上げていきたいです」
 また、ミニトマトが安定したら、いつかサンゴ砂礫を使って他の農作物を作ることにも興味がある、と語ってくれました。
 北茨城ファームのミニトマトは、スパリゾートハワイアンズのバイキング会場で食べられます。もし見つけたら、ぜひ食べてみてください。

北茨城ファームのミニトマトを買えるお店
サンユーストア ※時期により無い場合もあります。
インフォメーション
名称 農地所有適格法人 株式会社北茨城ファーム
住所 茨城県北茨城市中郷町石岡865番地
お問い合わせ TEL:0293-30-8600
FAX:0293-30-8601
WEBサイトURL https://www.kfarm.co.jp/
その他の情報 ※このページの情報は、2023年1月時点のものです。

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