いばらきの食に挑戦する人たち
農業には国と地域を支える力がある菅谷作衛さん(行方市)
良い土から!
茨城の「農」に貢献
菅谷作衛さんは、行方市でチンゲンサイを周年栽培しているチンゲンサイ農家であるかたわら、行方市にある農産物直売所「げんきの里」の社長でもあり、農業に特化した人材派遣業や、元農業経営士として、農業の経営指導もおこなうなど、まさに「農」を中心に幅広い活動をおこなっています。
元々ご実家が農家だった菅谷さんが、本格的に農業に取り組んだのは、昭和46年、22歳の時。農業大学を卒業後、3年ほど東京で働き、実家に戻ってからは、当時周辺で作っている人が少なかった、プリンスメロンの露地栽培を始めました。2年後にはパイプハウスを導入し、その後も毎年のように規模を拡大していきました。
メロン作りから、チンゲンサイ作りへ
その後、プリンスメロンに加えて、アンデスメロンも導入するなど、メロン作りは順調でしが、規模拡大に伴い、恒常的な労働力不足となりました。
「その頃から、農協を通じて外国人技能実習制度で外国人を雇用していました。今後の農業経営と、外国人研修生対策を考えたとき、家内と相談して、今後はメロンではなくチンゲンサイを作っていこうと決めたのです。」
主力商品をメロンからチンゲンサイへと経営転換し、更に次代を担う後継者を育てる農業経営士として、これまで培ってきた栽培技術や経営のノウハウを伝えていく活動にも精力的に参加しました。更に、ただチンゲンサイを作るのではなく、プリンスメロン時代から培ってきたハウス栽培の技術と土壌分析をもとに、「良質なものを、安定した量で出荷」を信条に、チンゲンサイの周年出荷を可能にしたのです。
作物との対話
チンゲンサイ作りへの探究心、こだわりも人一倍ある菅谷さん。メロン栽培時代から徐々に増やしていたハウスは120棟にまで増え、土の状態を見ながら、土作りをおこなうハウスと、チンゲンサイを育てるハウスとに分けています。
「どこでも、誰にでもできるようなことをしていたら、良いものはできません。良いものが作れなければ、農業経営は成り立たないとも言えます。その為にはまず、作物がして欲しいことを即座に判断して、実行することが大切です。農業で生き残っている人達は、皆そうだと思いますよ。」
作物の声に耳を傾け、勘違いせずにその声を正確に聞き取り世話をしていくことこそが、農業経営の始まりなのだそうです。
農業の基本は土作りから
「農業の基本は、なんといっても土作りにつきます。チンゲンサイ作りは、土作りと、時期に合った品種選びをきちんと出来るかがとても大事ですね。」と菅谷さんは語ります。
菅谷さんのチンゲンサイ農場の片隅には、大きな"たい肥舎"があります。後継者である息子さんが建てたものだそうで、たい肥作りはその小屋で行われています。
「チンゲンサイが高値になったとき、一気にフル稼働できるように、良質な土を常に準備しておきます。チンゲンサイの値があまり芳しくない時は、とにかく土作りに徹する。ハウスの熱処理をしたり、たい肥作りをしたり。それが出来ていないと、いざという時に、根が病気になっていたり、安定した量を出荷出来なかったりするので、これだけは絶対に手は抜けません。」菅谷さんの作るチンゲンサイの根っこは、白く、多く、とても立派です。
農産物直売所 げんきの里
菅谷さんが営む農産物直売所「げんきの里」には、鹿行地域の採れたての新鮮野菜や果物が並びます。
菅谷さん自らが惚れ込んだというこだわり卵に、納豆、鯉のうま煮など、鹿行地区を代表する加工品も取り揃えています。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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「農業には底知れぬ力があると感じているんです。農業は、やり方次第でいくらでも収益を伸ばす事ができる。農業でキチンと経営が出来れば、従業員達やその家族の生活を支えることができる。キチンとした給料を払えれれば、後継者は育ちます。私はチンゲンサイ作りというバトンを息子に渡しました。でも今後も変わらず、土作りを基本としてより良い作物を作り、食べてくれた方々に「いつもおいしい」と言ってもらえるものを、家内と、息子と共に、作り続けて行きたいですね。」バトンは渡しても、根っからの農業人である菅谷さんは、これからもより良い茨城の農業の発展と普及の為、その一翼を担っていくことでしょう。
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その他の情報 | ※この情報は2012年度時点のものです。 |
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