PICK UP/ 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

県内初の完熟マンゴーに挑む保田幸雄さん,保田しつ子さん(小美玉市)

県内初の完熟マンゴーに挑む 保田幸雄さん,保田しつ子さん(小美玉市)

茨城県初の
マンゴー生産者

ボックス栽培でマンゴーを作る

ボックス栽培1ボックス栽培1

ボックス栽培2ボックス栽培2

ボックス栽培3ボックス栽培3

 保田さんは、農業を営んでいたご両親の第六子。当時は家業を継ぐことは考えずに、大学への進学を目指していましたが、兄たちが就職してしまったため、水戸市の鯉渕学園農業栄養専門学校へ進学することに。園芸課に進み、卒業後には当時誰も取り組んでいなかったビニールハウスでのポットマム( 鉢植えのキク )栽培を始めたそうです。
 それから約40年、やすだ花香園としてプリンセチアや胡蝶蘭、カーネーションなどの様々な花きを栽培し、「茨城花き流通センター農業協同組合」の設立メンバーになるなど実績を重ねてきました。
 そして、農業経営を息子の健一さん夫婦に託してから、肩の荷が下りたのと同時に夢中になれる"何か"がほしいと感じながら過ごしていたある日、沖縄のマンゴーをもらったことをきっかけに、同業の仲間と共に、マンゴーの苗を買い、育ててみることになったそうです。
 こうして2010年に花きハウスの片隅に2株から試験栽培がスタート。県内での栽培事例がないため、他県の栽培暦や本とにらめっこをする日々が始まりました。しかし、資料だけではなかなかうまくいかず、宇都宮市の園芸家が北関東でマンゴー栽培をしているのを聞きつけ、弟子入りし、マンゴーの苗を大型の鉢(ポット)の中で水と肥料を細かく管理できる【ボックス栽培】でマンゴーを栽培する方法を習得したそうです。
 2年間の試行錯誤で得た栽培ノウハウと花き生産で培った技術をいかして、2012年4月にはハウス施設を増設。
 270平方メートルに50株を栽培し、300個のマンゴーが実りました。今年7月中旬から自宅での直売も開始し、茨城県のマンゴー生産者第一号の誕生です。

小美玉SUN完熟マンゴー

小美玉SUN完熟マンゴー1小美玉SUN完熟マンゴー1

小美玉SUN完熟マンゴー2小美玉SUN完熟マンゴー2

 保田さんが栽培するマンゴーは、【小美玉SUN完熟マンゴー】の名前で販売されています。
 生産量もわずかで販売も限られてしまいますが、真っ赤に熟し、果実から蜜がにじみ出る芳醇な【小美玉SUN完熟マンゴー】は、一度食べたらマンゴーに対する概念が変わるほど味わい深いです。
 これも、長年の鉢植え栽培経験による、絶妙な水管理とハウスの温度管理ができるからこそ出せた味です。
 「実は、マンゴーを販売できるようになるまでは、毎日が不安でした。」と今では笑いながら話してくださる保田さん。「土壌の成分分析や生育状況の記録、害虫対策など、県(水戸地域農業改良普及センター)の担当者の方無しでは成しえなかった」と、苦労も教えてくれました。
 現在は、アップルマンゴーと呼ばれているアーウィン種、幻のキーツマンゴー、キンコーマンゴーの3品種を栽培しています。上手に追熟させるのが難しく、市場には流通していないキーツマンゴーも数は少ないですが、販売しています。幻と呼ばれるだけあり、キメが細かく滑らかでおいしいと好評だそうで、今後は数を増やしていく予定とのことです。

家族全員が新しいことに挑戦します

家族全員が新しいことに挑戦1家族全員が新しいことに挑戦1

家族全員が新しいことに挑戦2家族全員が新しいことに挑戦2

 現在は、ご子息で青年農業士の健一さんが、全ての花の栽培管理を任されています。保田さん夫妻が築いた土台を崩さず、更にお客様に喜ばれる花が作れるよう日々奮闘しているそうです。
 保田さんの妻で元女性農業士のしつ子さんは、フラワーアレンジメントを嗜み、指導をする立場でもあります。また、さくらんぼの栽培や、女性部会の代表として県知事に提言書を提出するなど多岐にわたりご活躍、挑戦を続けていらっしゃいます。

マンゴーは常温で食べましょう

マンゴーは常温で食べましょうマンゴーは常温で食べましょう

 マンゴーを食べるときのポイントをいくつか教えていただきました。
 まずは、マンゴーの香りと甘みを最大限に味わうために、冷やさずに常温のまま食べてほしいとのことです。
 それから、「小さくても大きくても味は同じなので、買うときは、お好みでサイズを選んでくださいね。」と、悩むお客様にアドバイスをされていました

販売時期
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

視覚から味覚への挑戦

視覚から味覚への挑戦

 花は、視覚で楽しむもの。マンゴーは味覚で楽しむもの。やっぱり、人間は本能で「食べる」ことにはとことん追求する動物です。お客様も、「うまいもの」であれば多少高額な商品でも何度も買い求めてくださるので、「究極にうまい!」と言ってもらえるものをこだわって作っていきたいと、その胸中を語ってくれました。

インフォメーション
名称 やすだ園
住所 小美玉市部室174
お問い合わせ TEL:0299-48-2035
その他の情報 販売期間 7月~8月

※この情報は2012年度時点のものです。

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