いばらきの食に挑戦する人たち
茨城にしかないブランド豆 常陸大黒生産者鈴木澄男さん、鈴木勝さん(大子町)
常陸大黒とは
常陸大黒は、茨城県が育成した花豆のオリジナル品種です。その名の示すとおり、一粒の重さが約2グラムと大粒で、光沢のある美しい黒色が特徴です。涼しい山間部を好み、主に大子町や常陸太田市の里美地区など県北部の中山間地域で栽培されています。
上品な味わいをもち、和菓子だけでなく洋菓子にもよく合う常陸大黒は、茨城県のみで生産される稀少な特産品となっており、その高い品質を維持するため、生豆の流通は厳しく制限されています。
常陸大黒生産部会の部会長を務める鈴木澄男さんは、大子町で16年間に及び常陸大黒を作り続けています。同じく生産者である鈴木勝さんは、奥久慈茶や奥久慈なす、常陸牛の生産も行いながら、とても熱心に常陸大黒を作る、常陸大黒生産部会若手のホープです。
繊細な常陸大黒
大子町では、平成12年から本格的な生産を開始したという常陸大黒。開始から2年間は、生産も出荷も順調で、生産者も40名ほどに増えました。しかし、3作目に入ったあたりからだんだんと収量が減少してきたそうです。
「なにしろ初めて作る作物でしたから、なぜ収量が減っていくのかもわかりませんでした。のちに暖かい気候では豆が育ちにくいことがわかってきたので、温暖化の影響もあったのかもしれません。」と鈴木勝さん。
常陸大黒は、山間部の黒土で水はけの良い土を好み、暑さに弱い、とても繊細な作物でした。
風通しを良くする
常陸大黒を作るための重要な要素がもうひとつ。それは、風通しです。種を植えた畑に等間隔に支柱を立て、そこにつるを巻きつかせながら育てる常陸大黒は、成長過程でどんどん葉が増えます。
「葉が増えると、風が通りません。常陸大黒は暑さに弱いので、熱がこもらないよう、その都度葉を取って風通しをよくします。」
限定された気象条件のもとでしか生産ができない常陸大黒。こうして様々な手を打ってはいるものの、夏場気温が高くなると結実しない為、猛暑の年は、どうしても収量が減ってしまうそうです。これを何とか阻止するためにも、葉を取る地道な作業は欠かせません。
常陸大黒の栄養分
常陸大黒は、抗酸化作用があるといわれるアントシアニン(ポリフェノールの一種)中のデルフィニジン-3-グルコシドが黒大豆の約2.5倍含まれているなど、栄養的にも優れています。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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鈴木澄男さん「常陸大黒はとにかく素晴らしい豆なので、茨城を(花豆の)日本一の生産地にしたいですね。」
鈴木勝さん「いかに量をたくさん採って、高品質な常陸大黒を出せるか。ここに懸かっていると思います。」
一度食べたら忘れられないというファンも多く、注目を集めている常陸大黒。しかし、生産者の高齢化、近年の夏の猛暑によって、年々生産量が減少しているのも事実です。
鈴木さん達は、なんとかより多くの人達に常陸大黒が届けられるよう、今日も奮闘しています。
インフォメーション | |
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名称 | 常陸農業協同組合大子営農センター | 住所 | 茨城県久慈郡大子町池田1267-1 |
お問い合わせ | TEL:029-572-1191 |
WEBサイトURL | http://www.ja-hitachi.jp/ |
その他の情報 | この情報は、平成26年9月時点のものです。 |
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