いばらきの食に挑戦する人たち
茨城が誇る銘柄豚 ローズポーク生産者磯部宏文さん(鉾田市)
茨城の銘柄豚ローズポークとは
ローズポーク
ローズポークとは、「育てる豚」、「育てる飼料」、「育てる人」、「販売する人」を指定した銘柄豚です。
茨城県が長年かけて造成した系統豚を利用した銘柄豚肉で、茨城県の県花「バラ」にちなんで名付けられました。厳しく選別・指定された生産農家が、やわらかく風味がある肉にするため、ローズポーク専用飼料で育てています。生産者も、飼養管理の内容もはっきりしているため、美味しいうえにきわめて安全・安心な豚肉です。
四本の矢で作る
磯部宏文さん
全農いばらき 礒崎さん、JA茨城旭村 米川さん、生産者 磯部宏文さん、飼料会社 鵜原さん
鉾田市でローズポークの生産を行う磯部宏文さんは、結婚後、婿入りし、磯部家の家業である養豚業を継ぎました。磯部家は昭和50年代から子豚のみの生産を行っていましたが、そののち一貫生産に切り替え、ローズポークの生産に取り組んだそうです。養豚業の経験など皆無だった宏文さん。何もかもが始めてでしたが、義父にイチから仕事を教わり、今年で16年目になります。
磯部さん「よりよいローズポークを生産するために、全農、農協、飼料会社の各担当者と情報共有を密にしています。一人でいろいろな情報を集めるには限界があるので。実際に豚に触れて育てているのは自分ですが、実質的には皆で育てているんです。」
磯部さんは、このメンバーを“四本の矢”と例え、この人達がいなければ、ローズポークは生産できないと言います。
≪写真左から≫…全農いばらき 礒崎さん、JA茨城旭村 米川さん、生産者 磯部宏文さん、飼料会社 鵜原さん
ローズポークは、厳しい条件をクリアした指定生産者が生産から出荷までを行い、更に、専用の飼料で育てています。
磯部さんは、水やり、飼料給与の管理、豚舎の掃除、子豚の繁殖から世話など、その全てを一人で行っています。
磯部さん「どの工程も全て難しいですよ。生き物相手ですから。病気を防ぐために、特に衛生面に気をつけています。豚舎に雨などが入らないよう毎日豚舎の端から端まで見廻っています。」
また、衛生面にも配慮し、磯部さんの農場では、豚の糞と尿とを分けて処理する設備があり、処理後は堆肥として利用しているそうです。
磯部さん「籾殻とあわせて堆肥を作り、自分の畑に入れています。すごくおいしい野菜ができますよ。」
出荷時の工夫
出荷時の工夫 通路の改築
出荷時の工夫 扉の改造
通常、豚の出荷は、豚を誘導をする担当と、トラックに乗せる担当の二人以上で行う仕事です。しかし磯部さんは、出荷を一人でも行えるよう、豚舎からトラックまでの通路をご自身で考案し、改築しました。
磯部さん「まず、豚の特性を利用して、豚が一頭しか通れない通路を作りました。二頭通れる幅があると、豚がUターンしてしまい、スムーズに誘導できません。この通路に整備したことで、出荷の効率化が図れました。また、通路を狭くすることで、豚舎の扉を開くとちょうど通路を塞ぐ形になりました。扉の入り口で豚を誘導する人がいなくても、豚は勝手に進むというしくみができたので、労働負担軽減につながりました。他の養豚家さんもぜひやって欲しい。これはオススメです。」
磯部さんはこの他にも、豚舎内の一定の場所で豚が糞や尿をできるよう豚舎を改築するなど、気が付いたことがあると、効率的かつ機能的な方法を考案してはすぐに試してみるのだそうです。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|

全農いばらき畜産課の礒崎さんは言います。「磯部さんは、限られた場所の中で、良質な豚を最大限出荷して業績を上げています。飼料についても、無駄にしないよう適正な管理に取り組むなど、あたり前のことなんですが、意外とそれができている人は少ないんです。細かなところまできちんとできる、意識の高い人です。」
磯部さん「もっと規模を拡大しようとか、儲けようとかは思っていません。今後も皆さんと協力していただきながら、四本の矢が支え合って生業としてこの仕事をずっと続けていければいいなと思います。」
インフォメーション | |
---|---|
名称 | 全国農業協同組合連合会茨城県本部 茨城県銘柄豚振興会 | 住所 | 茨城県東茨城郡茨城町下土師字高山1950-1 |
お問い合わせ | TEL:029-292-6906 FAX:029-292-7743 |
WEBサイトURL | http://www.ib.zennoh.or.jp/rosepork/ |
その他の情報 | ※この情報は2016年度時点のものです。 |
今、おすすめの記事
-
-
旬のうまいもの特集
秋の味覚 いばらき焼き芋特集
-
-
旬のうまいもの特集
とれたて!初物わかさぎ
-
-
いばらき食材を使う料理人
JINBO MINAMI AOYAMA オーナーシェフ いばらき食のアンバサダー
神保 佳永さん
-
-
オンラインショップ
野村甘露煮店