PICK UP / 茨城のうまいもの特集
七草 店主 いばらき食のアンバサダー前沢 リカ(東京都)
七草
東京都渋谷区富ヶ谷にある「七草」は、茨城県土浦市出身で「いばらき食のアンバサダー」を務める前沢 リカさんが営むお店です。 「おもに、旬の野菜と乾物を中心とした和食を提供しています。移りゆく季節をお皿にとじこめ、旬を、季節を楽しんでいただきたいとの思いから始まりました。野菜が好きなので、野菜と乾物が主役の料理が多いのですが、お肉もお魚も使います。ヴィーガンレストランではないんです」と語る前沢さん。 「七草」は完全予約制で、メニューは食事・甘味 全8~9品の「おまかせの献立」のみ。前沢さんの作る料理は、野菜、乾物、豆などの素材を慈しみ、地味だけれど食べ飽きない、素材の持つおいしさを優しく引き出しています。
前沢さんのルーツ
前沢さんのご実家はうなぎ屋で、幼少期から厨房で育ったそうです。日本で輸入関係の会社に務めながら、休日は知人の飲食店を手伝うなど「料理はとにかく好きだったし、常に料理に関わってはいました」と言います。その後、会社を辞めて渡英。「英語の勉強もしたかったですし、ヨーロッパに親戚がいたことにも何となく縁を感じて。やっぱり料理の仕事をしたいと思っていたこともあって、日本を離れてみようと思ったんです」と前沢さん。 「イギリスでは、日本で食べたことがないような料理を色々と食べながら、料理について考えていました。どの国にも季節があって、イギリスでもこの時期にこれを食べるとおいしい、と季節を感じられる料理がある。そんな料理を食べながら、『自分の日常で季節を捉える料理を作りたい』と強く思うようになりました」。「日本で料理の仕事を始める」と決め、イギリスから渡英前に手伝っていた飲食店店主の知人に連絡を取り、帰国直後からそのお店で修行させてもらうことになったそうです。そこで4年、別のお店で1年半程経験を積み、2003年に独立。「七草」を開業しました。 「野菜料理がしたい!と思い、七草を開業しました。初物が出ると、『あぁこんな季節になったんだな』と思う。そういう日常が好きで、自分の日常を捉えた料理を、野菜で表現したかったんです。野菜と乾物ははとても相性が良いので、それらを主役にした料理をと」。 店名「七草」の由来をお聞きすると、「日本人なら誰でも聞いたことがある名前にしたかったんです。季節を印象付けてしまうものでなく、かつ、季節を感じられるようなやわらかい名前。“七草”ってぴったりだなと思いました」
前沢さんの「すり流し」
ちぢみこまつなのすり流し
れんこん餅
七草で提供される月替わりの「おまかせ献立」。一品目は、年間を通して「すり流し」と決まっていると前沢さんは言います。「すり流し」とは、野菜や魚介などの食材をすりつぶし、出汁でのばした日本の伝統料理のことで、前沢さんは、季節によってベースとなる食材や冷製と温製を変えているそうです。「私の場合は、すり潰さずにブレンダーを使って野菜の繊維を切り、食感をなめらかにしています」 作っていただいた茨城県産のちぢみ小松菜を使った「すり流し」は、小松菜を少しの水で蒸してブレンダーをかけ、味付けは塩のみで、仕上げに紫芽(むらめ)とオリーブオイルをほんの少し。これが驚くほどなめらかでおいしい。ザラついた食感はなく、繊細なとろみが濃厚。優しい甘さが広がります。 茨城の食材について前沢さんは、「れんこんは親戚から送ってもらっているのですが、品質が安定していてハズレが無いですね。茨城の食材は、子供の頃から食べているので私にとっては日常的なものです。あんこうやワカサギもおいしいし、メロンやイチゴもおいしい。毎年秋には志士庫栗(ししこぐり※茨城県かすみがうら市の和栗ブランド)を送ってもらっていますが、これも安定しておいしいです。けれど茨城のものはあまり知られていないのが勿体ないですね」と笑います。 七草で使う食材は、前沢さんが全国の農家さんと直接契約をしていることが多いそうで、「『農家さんを支えるのがレストランの仕事』だと思っているので、“誰が作ったか”を重視して仕入れています」と語ります。
インフォメーション | |
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名称 | 七草 |
住所 | 営業時間 17:00~22:00(最終入店20:00) 定休日 日曜日・月曜日・臨時休業あり 完全予約制 |
お問い合わせ |
TEL: 03-3460-7793 |
WEBサイトURL | https://www.nana-kusa.net/ |
アクセス | 営業時間 17:00~22:00(最終入店20:00) 定休日 日曜日・月曜日・臨時休業あり 完全予約制 |
その他の情報 | ※このページの情報は、2023年2月時点のものです。 |
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