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食育推進ボランティア講習会講演

  期 日 : 平成16年3月16日
  場 所 : 県庁9階 講堂
  テーマ : 「食の安全と安心感をいかに確保するか」
  講 師 : 梅木利巳(九州国際大学教授)

   皆さんこんにちは。
今ご紹介をいただきましたけれども、1931年生まれですから、私は昨年の12月、72歳になりました。
本来はこういうところにのこのこ出てくるような資格もないし、あるいはそういうことを引き受けるだけの力量もないのですけれども、農産漁村文化協会というところで食と農の応援団というのが組織されていまして、尚そこに名前を連ねているといったような事があって、多分今日お呼びがあったのではないかというように思います。
皆さんのお手元に、食の安全と安心感をいかにして確保するかという資料を準備してあります。これを細かくやっておりますと多分時間が足りない。
 しかしあとでお読みになれば、私の講義を聞いたあと、講演を聞いたあとでお読みになれば大体最後まで理解していただけるのではないかと言ったような気持ちでこういう資料を作成しましたので、時間がきて足りなかったらそのところで打ち止めにしますから、あしからずご了承ください。
 それに多分皆さんは食事を済まされて30〜40分しか経っていないし、それに非常に陽気がよろしいですから眠たくなられるだろうと思いますから、僕に遠慮しないで居眠りされても結構であります。
 繰り返し言うほどの事もないと思いますけれども、今日は食の質という問題について、つまり安全性と信頼性という事を重点においてお話をしたいと思いますが、少し枠を広げまして、私達は食料を巡って一方ではどれだけ量を確保できるか、足りるかどうか、必要なものが確保できるかというそういう量の問題と、もう一つは信頼して食べられるようなものが手に入るかどうかという二つの側面が食料問題にありますが、食料問題というのはこの色々あとで詳しくお話しますけれども、生産の段階がある、それから加工の段階がある、流通の段階がある、あるいは外食産業と言ったように家庭以外で食べる問題があります。そして家庭ないしは食料を食べる段階になりますと、内食という形、食として食べる形もあるし、出来合いの食事を中食という形で消費する形もあるし、それからレストランその他に行って外食という形で食べる方法がありますから、食の安全だとか信頼というのはこの五つの段階で問題になるのであって、したがってどこでどういう風な形で問題になるのかといったような事を重点にして今日はお話をするというような事になろうかという風に思います。
 しかし、少し量の問題もお話しておきましょう。
 今、世界的に私達は非常に食料が有り余って、過剰に抱えているがゆえに困っている国々がありますね。
 私達日本人も、本当は足りないのだけれど結構金を出せば買うことが出来ますから、基本食料のお米は余っている、あるいは野菜が余っているといったようなこういう過剰問題を一方で抱えていますが、他方地球上では食べるものが足りなくて、半ばこの飢餓状態、これが飢餓状態と称するのは人間がじっと寝ているだけで活動しなくて消費するエネルギーを競う、代謝量と言いますけれども、それの大体1.5倍くらいの量に達しないもの、栄養不良、ないしは栄養不足と申し上げますけれども、世界中で8億2000万くらいの人たちがようするにお腹をすかしている。あるいは2000万くらいの子供が毎年栄養不良のために死んでいるという実態があります。
こういった問題が、本来は食糧問題の主要な局面なのですけれども、ここが非常に豊かな食料に一見恵まれていて、にも拘らず安心して食べられる食べ物が存在しているのかどうかといったような事をめぐって、今世界の主としては先進国で大きな問題になっているのはご存知の通りであります。
 これは例えばダイオキシンによりゆがめられた食事だとか、遺伝子組換え食品だとか、あるいは農薬や残留農薬にまみれた食品だとか、放射能に汚染した食品だとか、あるいはとにかくその他の工業が吐き出すところの汚染物質で地下水が汚れて、それが飲み水で農業生産用水を汚して、そしてとにかく我々の食料が、食事が脅かされているという色々な側面があろうかと思うのですが、こう言ったような事に加えて、ご存知の通り最近狂牛病、狂牛病という言葉は使うなという事のようですから、これからBSEという名前で呼びます。
 もう一つは鳥ウイルスと呼ばれるもので、私達は今深刻な色々な問題にとにかく直面しております。
こういった問題に直面しているという事をまず軸において、一体私達はどういう状況の中でこれからこの深刻な実態を乗り越えていくことが出来るのかどうかというのが今日の私の講演の主旨になろうかと思います。
先程申し上げました、例えば鳥インフルエンザと狂牛病、BSEを取上げてみましてもこれにはほぼ次のような共通した問題があろうかと思うのですね。
 これは両方とも今世界的な規模で蔓延しつつあるという事ですね。
例えばBSEについては1986年にイギリスのケント州というところで発生して、そして北のスコットランドからアイルランドに拡がりドーバー海峡を越えてヨーロッパ大陸に拡がって、始めは10数カ国というような事で言われていましてけれども、やがて東欧諸国に拡がり南欧に拡がり、そしてアジアでは日本に飛び火したと。昨年の5月ですか、カナダで発生した。そして今年になってアメリカで発生した。多分今30カ国かそこらくらいの国で発生していると思いますけれども、学者によれば遅かれ早かれ地球上の100くらいの国で発生するであろうと。日本ではこの前11頭目が発生しましたけれども、多分これから狂牛病は出るでしょう。あるいは狂牛病が原因になるところのクロイツフェルトヤコブ病と称するこういう病気が、日本ではさしあたってまだ発生したという報告はありません。世界中で狂牛病は18万、約18万頭あまり、あるいはそれが原因のとにかくヤコブ病は130人以内くらいですけれども、しかし多分これからまだ増えていくだろうと思います。
 しかし、それでも私達は狂牛病に対しては安心して牛肉を食べられる、といったような対策も確立しているから、多分皆さんもそれほど心配しないで食べられるでしょう。
いずれにしろ、地球上に拡がっていると。
それから鳥ウイルスの場合についてもほぼ似たような問題があろうかと思うのですね。
アジアでは韓国、あるいはタイ、ベトナム、あるいはインドネシア、パキスタン、中国、台湾、日本、それからアメリカで拡がっていますけれども、しかしこの病気自体は以前にオランダで発生したし、アメリカでは約14、15年前に発生したし、ドイツ、あるいはこういった国々でも発生していますから、ある意味では世界的に蔓延している。あるいはこれからもっと蔓延するであろう病気であります。病気であります。
 それで更に、もう一つの共通点について言えば、これは病原体がいくつも変種があると。
 鳥ウイルス病は九つくらいあるそうでありますが、専門家から言わせると。
しかしそのどの部分がどういう形に変わって人間を襲うのかといったような事についてなかなか正確に今の段階ではわからないといったような事が私達をパニックの状態に陥れているのであろうと思います。
更にこの感染源を確定する上で、非常に装置がいる、専門的な知識がいる、だから私達素人はどうしてもそういった専門化の研究と判断力に依存せざるを得ないという、といったような側面があります。
 第四の問題は感染経路がはっきりしないと。
 日本で11頭の狂牛病が発生しましたけれども、いったいどこからどんな形で伝わってきたのか。
 北海道の酪農経営が機軸になって日本中に拡散して出たという事は分かっていますけれども、ヨーロッパのどこから例えば病原体を含んだ肉骨粉がどういう形で入ってきたかというような事についてはかなり必要な追求にも拘らず入っていない、分かっていない。
 あるいはご存知の通り、鳥ウイルスについても今渡り鳥が持ってきたのではないか、あるいはカラスが持ってきたのではないかという風に色々言われていますが、これでさえそれがはっきりしていないわけであります。
 更に人と、家畜と人間に害を及ぼすと。
 ご存知の通りに今鶏に大変な害が起こっております。
 最近の鳥ウイルス病で、日本で飼っている総鶏数を上回る鶏を色々処分したという風に新聞に出ておりますけれども、大変なとにかく被害を畜産経済に及ぼすと。
 人間にどういう形で害が及ぼしてくるかといった問題は、人間自身の健康にどういった害が及ぼしてくるかという問題は、まだこれからではないかという風に思います。
 
     
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